前回の記事でも書きましたが、
5月25日に大阪で「たべたいねん青森 いらんねん再処理」という集いが行われます。
5月25日のこの集いは、
「六ヶ所村ラプソディー」をきっかけに六ケ所のことを知った主婦の方々や若者たち、グリーンアクションや美浜の会といった長年放射能汚染について活動してきた方々が、世代や立場を越えて「食の安全を守りたい」「東北の生産者を応援したい」という思いのもとにつながって生まれた集いです。
当日は、青森県産の生産物の販売、関西の人びとによるパネルトーク、「六ヶ所村通信no.4」上映、青森のPEACELANDの山内さん、宮城の武藤北斗くんのトーク、などが予定されています。
「たべたいねん青森いらんねん再処理」
また、この集いの実行委員を中心にした12名(ですよね)が、5月27日に青森県庁に再処理を止めるための決議文を提出に行きます。
彼らは今この瞬間も集会の成功のために準備を続けているし、
自分たちの声を届けることに気持ちを集中しているのでしょう。
僕はそんな彼らの姿に大いに刺激を受けています。
僕は今九州にいるので、25日の集会にも参加できないし、青森県庁にも同行できません。
関西各地での上映会や勉強会やミーティングなどで出会った、ひとりひとりの顔が思いだされます。
そして、ばらばらの場所で出会ったそのひとりひとりが同じテーブルで語らい、同じ時を共有している姿を、
つながりを深め、経験を積み鍛えられていく彼らの未来を、とてもとてもうらやましく思っています。
そして心から応援しています。出来るかぎりの協働をしたいと思っています。
さて。
「いらんねん」という言葉をキツイと感じる人もいるかもしれませんが、
再処理工場から放射性物質が垂れ流されるという事実は、この言葉の何万倍もキツいことです。
もちろん、雇用面を考えたら再処理工場自体は必要じゃないかという考えもあるかもしれません。
しかし、
生態系を壊しながら、
たくさんの生き物を殺しながら、
工場内の労働者や周辺の住民に被ばくを強要しながら、
仕事とお金を与えることを続けるべきだとは、どうしても思えません。
地元の方々が声を上げない理由はなぜなのか。
その理由は様々あると思いますが、
そのひとつは彼らがあまりにも長い間ほっとかれ続けたことにあるのではないでしょうか。
それは、孤立しているという感覚です。
「再処理はいらない」という言葉の背後には、
再処理がなくても成り立つ世界を創っていくという覚悟があります。
「青森の生産者を応援したい。」
「支えたい。」
「勇気づけたい。」
関西の各地で出会った人たちが、実際に口にしていた言葉を僕は聞いています。
そして、彼らの心の中に、今まで知らなかったこと、無関心だったことを詫びる気持ちや、
これからは当事者として生きていくという決意があることを知っています。
「いらんねん」という言葉は、挑発や攻撃ではなく、
同じ世界に生きる仲間に対する「ともに変わっていこう」というポジティブな意思表示ではないかと思います。
「YES IS LOVE」という言葉がありますが、「NO」にも同様に愛があります。
赤信号に突っ込もうとしている友人がいたら、あなたは「ストップ!」というでしょう。
「NO」というには覚悟がいります。
勇気がいります。
言わないで放っておけば楽です。
かかわらないですむし、当り障りはないし、摩擦も起こらないでしょう。
「おかしような気がするけど、まあいいか。」
「私が言うことじゃないか。」
という、暗黙の容認が、社会全体の雰囲気を決定づけているのではないでしょうか。
「ひとりの声は小さい」のではなく、
「私は無力」なのではなく、
声を小さくしているのも、自分を無力にしているのも自分自身であると思うのです。
声をあげないこと、力を使わないことが、
そのことに慣れ切ってしまっていることが、そのような思い込みを作っているのではないかと思うのです。
相手を仲間だと思っているからこそ言える「NO」に、僕は真実を感じます。
覚悟を感じます。
熱いハートを感じます。
「ともに生き残ろう」という、生への本能を感じます。
さて。
先日、関西の集いの実行委員会から、
5月24日から26日に神戸で行われるG8環境サミットに要請書が送られました。
要請書の内容は以下です:
英語版
日本語訳は以下
日本語版
G8サミットについて(ウィキペディア)
そして、5月25日の集会の流れで、
6月上旬には青森の新聞である東奥日報に、消費者からの声として意見広告を掲載する予定になっています。
新聞紙面の約半分で148万円、全面で288万円かかります。
以下に、意見広告に関する案内文を転載します。
よかったら是非ご一読の上で、カンパと告知協力をお願いできればと思います。
まじで、ぜひお願いします。
世界各国の首脳陣が集まるこの時期こそ、
僕たち普通の市民ひとりひとりが自分たちの望む世界を思い描き、
言葉として、行動として、表現するときです。
僕は、再処理の問題は環境問題ではなく人間問題だと思っています。
私たちの世界観、生き方、暮らし方、つながり方、それをこそ問われているのです。
以下、案内文です。
意見広告についての案内文(美浜の会サイト)
*****************************
青森県の新聞・東奥日報意見広告への賛同募集 ご協力ください
*****************************
関西から、六ヶ所再処理工場ストップの声を青森の皆さんに伝えるため、青森の新聞に意見広告を出します。
5月25日の関西のつどい「たべたいねん青森 いらんねん再処理」実行委員会で議論し、
意見広告の文面も決まりました。下記をご一読ください。
カンパを寄せていただいた皆さま ありがとうございます。
これまでに約60万円のカンパが寄せられています。しかし、まだ数十万円足りません。
新聞への掲載は、6月上旬を予定しています。
ぜひ、意見広告へのカンパにご協力ください。しめ切りは5月末です。よろしくお願いします。
◆意見広告へのカンパ振込先
郵便振替口座番号 00940-8-271029
加入者名:再処理意見広告の会
◆1口500円 何口でも結構です。ぜひ、ご協力ください。
◆しめ切り:5月末
◆意見広告の文章は下記です。ご一読ください。
<意見広告文>
たべたいねん青森 いらんねん再処理
-関西から青森のみなさんへ
りんご、にんにく、長いも、ごぼう、おこめ、
こんぶ、いか、かれい、まぐろ、ほたて など。
青森のたくさんの恵みが関西でも日々食卓にのぼり、
私たちの生きる力となっています。
私たちはこのことに深く感謝しています。
その豊かな恵みが、こともあろうに放射能で汚染されるとは、
そのことに私たちは強い懸念を抱きます。
5月25日に関西一円(滋賀・京都・奈良・大阪・兵庫・和歌山)のつどいをもち、
小さな子どもをもつ母親たち、
食べものの生産や流通にたずさわる人たち、
消費者である市民が
六ヶ所再処理に反対する思いを一つにしました。
その決議文は5月27日に青森県庁に持参し、知事に届けました。
六ヶ所再処理工場はまもなく本格稼動しようとしています。
そうなれば、日常的に放出される放射能で、大気や大地や海が汚染されます。
実際、フランスのラ・アーグ再処理工場周辺では、
野菜、牛乳、海藻や魚などから、自然界にはない
セシウム、ストロンチウムやヨウ素などの放射能が検出されています。
これは明日の青森の姿ではないでしょうか。
たくさんのいのちが放射能で傷つけられないよう、
子どもたちが元気に、未来に誇りと希望をもって生き続けられるようにと、
私たちは願っています。
人類の生存すら危うくなりつつある地球環境の中で、
太古の昔から万民のものであった、いのちの大地や、宝の海、そして大気を
放射能でこれ以上勝手に汚すことが許されていいわけはありません。
放射能は県境をこえ、国境をも越えて地球を汚染します。
青森県知事が安全協定にサインさえしなければ本格稼動に入ることはできません。
私たちは食の安全を求める関西の立場から、青森県のみなさんに訴えます。
六ヶ所再処理工場が本格稼動しないよう、ぜひ知事に働きかけてください。
六ヶ所再処理工場の本格稼動に、ともに反対しましょう。
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