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2008年5月27日 (火)

まつろわぬスピリット

冨田貴史@佐世保です。

今日はこれから、福岡の筑前前原を訪ねます。

このあたりは、最終処分地の候補にもあがった二丈町からも近い場所です。

そして、二丈町から佐賀の玄海町は、目と鼻の先です。

ちなみに言わずもがなですが、
玄海町は、プルサーマル計画を2006年3月に受け入れた玄海原発を擁する町です。

地名だけだと、福岡と佐賀っていうと県も違うし遠くの場所のような印象を受けますが、
実際に二丈町の海岸から海を見ると、
対岸が佐賀の唐津で、その先はすぐ玄海なんですよね。

このあたりは、「マツラ族」という海洋民族が幅を利かせていた海域ですが、
やはりその末裔というか、漁師さんたちが叩かれていったということなんでしょう。

つまり、黙って黙々とお米を作る小作人ではなく「海さえあれば生きていける」という、
「お上よりも海とつながるひとびと」
「自然とともに生きるひとびと」
「依存や支配を必要としないひとびと」
つまり、まつろわぬ精神を当たり前に持っていた人々の生活が潰されていったということだと思います。

沖縄でも、六ヶ所でも、北海道の泊でも、福井の若狭湾でも、同様の思いを抱きました。

今の社会の中で民主主義は機能していないし、
封建社会、階級社会、差別社会は終わっていないと感じています。

僕がワークショップや小さな上映会にこだわる理由もそこにあります。

トップダウンはいやなのです。
上からものを言われるのは嫌いだし、
僕の言うことを鵜呑みにされるのもいやです。
輪になって話すのが理想です。


さて。
昨日のことですが、「北海道の夕張で最終処分場誘致を検討する」という新聞記事があったようですね。

【中日新聞【社会】2008年5月26日 21時20分】
夕張で原発ごみ処分場構想 地元商工会議所、応募検討

もちろん夕張が財政破綻したことは知っていたし、
そうやって田舎の自治体が意図的にいじめられていることは知っていたし、
だからこそ、 「地域の財政をどうするのかを僕たちで考えよう」ということで、
縁のある仲間たちとお金についての勉強会を開いてきました。

だけど、まさか、ずばりその夕張で最終処分場の話が持ち上がるとは思ってなかったです。

そこまでストレートに行くか?
と思いました。

つまり、夕張の財政難については情報として知っている人は多いわけで、
「隠してコソコソ進める」スタイルが得意な彼らが、
ある意味メジャーな夕張に手をかけるとは思わなかったのです。

ま、とにかく、そういうことが今起こっています。

もうなりふりかまわないんですね。
よくわかりました。

5月の上旬に僕は北海道を訪ねました。
10日間の滞在期間中、上映会を8回、ワークショップ1回、そして泊原発を視察して、
泊村の隣、岩内町で30年間活動を続ける斉藤武一さんにお話を伺ってきました。

その間、札幌を中心とするアツイヒトビトと一緒にすごし、
それぞれの会を仕込みからバラシまで協働し、
打ち合わせと反省会を繰り返し、
同じ釜の飯を食い続け、語らい続けてきました。
「また帰ってきてね」といわれた言葉が、とてもうれしかったです。
もう、北海道は遠くの場所ではなくなってしまいました。

斉藤さんの姿には、淡々と30年間活動をキープしている、その静かに熱く燃える魂に心を打たれました。

斉藤さんは、
「北海道電力は、実際はプルサーマルもやりたくないはずだ。
でもそんなことを言ってしまったら、国にいじめられる。だから反対できないんだ。」
とおっしゃっていました。

「道民は、北電とともに変わっていかなければいけない。
電力会社を孤立させないためにも、道民がもっとかしこくならなければいけない。」
という言葉に大きな共感を覚えました。

情報を広めること、民意形成の場を開いていくことの大切さを改めて実感しました。

僕はやはり、普通に日常を過ごしている人々の声を拾っていきたいし、
そういう人たちの元に、各原発現地などの状況を手渡ししていく活動を続けなければ、
と改めて思いました。
そして、そういった流れの中で斉藤さんのような人たちと出会えること、意見交換できることの幸せを思います。

斉藤さんと出会えたことは、本当に本当に、幸せです。
一緒に語らっている間、心が震えっぱなしでした。

「このような人たちを孤立させてはいけない」

僕が核について関わり始めたきっかけは、そこにあります。

当時の僕の心を動かしたのは、
放射能の恐怖ではなく、
関わっている人々の思いです。

僕が住む名古屋から車で1時間もかからないところに、
「超深地層研究所」があります。
機会があれば、またゆっくりと詳しく書きますが、僕が一番最初に知り、訪れた核関連施設です。

この施設に反対している人びとの声が、かき消されて続けている現状を知りました。

だまされつづけ、大事なことを隠され続け、そして市民の声は外に全く伝わっていかない状況。

そのことを知ってしまいました。

悩みました。
それまでソニーミュージックに勤めたり、
イベントの企画制作をしてきた僕でしたが、
当時は道を模索中でした。

そして、今までの経験を活かし、こういった人びとの声を届けることをしていくこと、
彼らを孤立させないことをしていこうと思ったのでした。

いまだにそれができているとは思っていません。
本当に日々、自分はなってないな~と落ち込んだりしています。

でも、続けるしかないな~と、いつもそこに思い至ります。

明日は佐賀で「お金についての勉強会」です。

六ヶ所村や佐賀県の玄海町、
山口県の上関、
沖縄の各自治体を訪ねて実際に聞いた話を中心にして、
地域の経済が骨抜きにされていく様子と、核施設や基地施設を含む公共事業と地場産業の関係、
日常の中の消費行動と戦争の結びつき、
などの報告をします。
その上で、どのような地域のありかたを望むか、
そのために自分たちに何ができるかを語らう予定です。

皆さんに会ってみないとどんな内容になるかはわかりませんが。
佐賀は新幹線の問題もあります。
きさくな情報交換、意見交換ができたらと思います。

僕は、民主主義が機能していないなら、
僕たちの語らいの場を民主的にするまでだと思っています。

対立なく、
批判なく、
攻撃することなく、
話の間をわりこむことなく、
人が話している間に他のことを考えることなく、
それぞれの意見を、思いを、
きちんと聞き合える関係性を作っていきましょう。

自分たちの手で民主的な関係性を作っていくこと、
民主主義とは何かを、体験を通じて理解すること。
そのプロセスと平行しながら、
今の社会に対して、意見・提言していける、
そんなバランスをとっていけたらと思います。

ま、未熟者の道は遠く、山は高いですけどね。


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